2017年02月01日

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国土交通省が進めている建設業の社会保険未加入対策の目標年次(平成29年度)まで残り約2ヶ月となってまいりました。

 

目標年次の平成29年度以降も引き続き社会保険未加入対策は継続され、社会保険未加入者に対してはより一層の規制がかけられることが予想されます。

 

社会保険に加入しなくてはならないのは分かってるけど、実際に加入した場合の負担額がどれくらいなのか分からず不安に感じている方も多いと思います。

 

今回は社会保険に加入した場合にいくら負担が増えるのかについて解説していきたいと思います。

 

社会保険に加入した場合に負担する保険料

社会保険に加入した場合、企業(※個人事業主)が負担しなくてはならない保険料は下記のとおりです。

・健康保険料

・介護保険料

・厚生年金保険料(子ども・子育て拠出金含む)

・雇用保険料

 

※従業員数が5人以上の事業所

 

社会保険に加入した場合の負担額はどれくらい?

では、社会保険に加入した場合にいくらの負担が発生するのでしょうか?

上記であげたそれぞれの保険料について負担額の計算方法を説明します。

 

健康保険料

標準報酬月額*1 × 9.96%*2 × 1/2*3 

 

*1 原則毎月同じ金額を使います。保険料の試算をする場合には、年間の給料総額を12カ月(中途入社等はその年の勤務月数)で割った金額を標準報酬月額としましょう。

*2 協会けんぽの健康保険料率(平成28年10月~)

*3 事業主と従業員が折半で負担

 

介護保険料

標準報酬月額*1 × 1.58%*2 × 1/2*3 

 

*1 上記健康保険料の説明参照

*2 協会けんぽの介護保険料率(平成28年10月~)

*3 事業主と従業員が折半で負担

 

※介護保険料の負担が生じるのは、45歳以上65歳未満の従業員です。

 

厚生年金保険料(子ども・子育て拠出金含む)

標準報酬月額*1 × 18.182%*2 × 1/2*3 + 標準報酬月額*1 × 0.2%*4

 

*1 上記健康保険料の説明参照

*2 協会けんぽの厚生年金保険料率(平成28年10月~)

*3 事業主と従業員が折半で負担

*4 協会けんぽの子ども・子育て拠出年金率(平成28年10月~)※全額企業(事業主)負担です。

 

雇用保険料

賃金総額*1 × 0.9%*2 

 

*1 賃金、各種手当の総額です。保険料の試算をする場合には、その他の保険料と同様に標準報酬月額を利用しても問題ないです。

*2 平成28年度の建設業の雇用保険料事業主負担割合(厚生労働省)

 

社会保険料の負担額計算例

下記の前提条件を元に実際に社会保険料の負担額を試算してみます。

前提条件

・社長を含め従業員数は5人の法人

・社長の報酬は月40万円、それ以外の従業員の給与は一人月30万円

・40歳以上65歳未満は社長以外の従業員2人

・月の報酬(給与)=標準報酬月額とする

 

社会保険料負担額試算

●健康保険料

(40万円 + 30万円×4人) × 9.96% × 1/2 = 79,680円

 

●介護保険料

(30万円×2人) × 1.58% × 1/2 = 4,740円

 

●厚生年金保険料(子ども・子育て拠出金含む)

(40万円 + 30万円×4人) × 18.182% × 1/2 + (40万円 + 30万円×4人) × 0.2% = 148,656円

 

●雇用保険料

(40万円 + 30万円×4人)× 0.9% = 14,400円

 

ひと月の社会保険料負担額合計 247,476円

 

上記の前提条件で社会保険料の負担額を試算した場合、ひと月の社会保険料負担額は約25万円という結果が出ました。

年間の負担額は約300万円となり、もう一人従業員を雇えるぐらいの負担額となります。

 

最後に

今回は社会保険に加入したらいくらぐらい負担が増えるかについて計算例を交え説明しましたが、思ったより負担が重いなと感じる方が多いのではないでしょうか。

 

社会保険の加入により負担は増えますが、国土交通省においては社会保険加入推進活動の一環として、下請業者が社会保険料を確保できるよう「法定福利費を内訳明示した見積書」を元請業者に提出できるような仕組みを構築しております。

 

社会保険に未加入の場合は、今後仕事を受注する際や建設業許可を申請する際に不都合が生じる可能性もあるため、早急に加入の手続きをしましょう。

 

また、今回解説した社会保険料負担額の計算方法を参考に、社会保険に加入した場合の負担額を試算し、資金繰りにどのくらい影響を与えるのか考えてみましょう。

 

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