2017年01月27日

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先日、「建設業における社会保険未加入対策と法定福利費を内訳明示した見積書」という内容のブログを書きましたが、私がこれまでに書いたブログの中で最も多くのアクセスがあったため、やはり建設業においてトピックとなっている事項であり、早急に解決すべき論点なのだと感じました。

(前回記事はコチラ⇒「建設業における社会保険未加入対策と法定福利費を内訳明示した見積書」

 

さて、詳細な趣旨に関しては上記で述べた前回記事に記載しておりますが、建設業の社会保険未加入対策の一環として、法定福利費を内訳明示した見積書の作成が進められております。

 

国土交通省のHPで法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順が公表されておりましたので、今回は国土交通省が公表している作成手順に沿って、法定福利費を内訳明示した見積書をどのように作成するかについて解説していきたいと思います。

 

見積書のフォーマットを用意する

各専門工事業団体において、各社の実情に応じた法定福利費の額を簡便に算定することができるよう「標準見積書」が用意されています。

自分が関係している専門工事業団体の「標準見積書」を元に「法定福利費を内訳明示した見積書」を作成していきます。

 

各団体の標準見積書書式・連絡先一覧はコチラ⇒https://goo.gl/JTAz3A

 

なお、今回は国土交通省の作成手順資料内のサンプル見積書を元に説明していきます。

 

見積書を材料費、労務費、経費(法定福利費除く)、法定福利費の区分に分類する

法定福利費を見積書内で内訳明示するために、以下のように区分します。

 

法定福利費をさらに各項目に区分し、各項目の保険料率を入力する

見積書に内訳明示できる法定福利費は、「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料(児童手当拠出金含む)」「雇用保険料」の事業主(会社)負担分です。

 

各項目の保険料率の入手方法は下記のとおりです。

 

健康保険料率、介護保険料率

健康保険及び介護保険の保険料率は、各社で加入している協会けんぽ(全国健康保険協会)や健康保険組合の保険料率を用います。(協会けんぽの健康保険の保険料率は、都道府県単位で定められています。)

 

協会けんぽのウェブサイトはコチラ⇒https://goo.gl/Q8jSDE

 

介護保険に関しては40歳~64歳までの方が対象となるため、現場労働者のうち40歳~64歳の割合を把握することが必要となりますが、実務上は困難であることが考えられます。

そこで、実務上は被保険者全体に占める40歳~64歳の被保険者の割合を算出して介護保険料を見積もることが一つの方法としてあげられます。

 

具体的には以下の式で算出した数値を介護保険料の料率の欄に記載することになります。

 

見積書で利用する介護保険料率 = 介護保険料率 × 1/2(事業主負担分)× 40~64歳の被保険者割合*

 

*実務上は協会けんぽのデータを利用することになると思われます。

協会けんぽでは事業年報内で「被保険者及び被扶養者の年齢構成割合」を公表しており、当該データから被保険者全体に占める40歳~64歳の被保険者の割合を算出することができます。

(協会けんぽの事業年報はコチラ⇒https://goo.gl/Hlcc7r

 

厚生年金保険料率

厚生年金保険の保険料率は、日本年金機構のウェブサイト等に記載されている保険料額表を参照することにより入手できます。 (厚生年金基金に加入している場合には、当該厚生年金基金から保険料率を入手する必要があります。)

また、児童手当拠出金(※現在の名称は子ども・子育て拠出金)の料率は、日本年金機構のウェブサイト等に記載されているものを用いてください。

 

日本年金機構のウェブサイトはコチラ⇒https://goo.gl/G9fnC1

 

雇用保険料率

雇用保険料率は、事業の種類ごとに事業主負担分・労働者負担分の保険料率が定められていますので、その中の『建設の事業』の保険料を参考にしてください。

保険料率は、厚生労働省のウェブサイトから入手することが可能です。

 

厚生労働省のウェブサイトはコチラ⇒https://goo.gl/70lHj3

 

法定福利費の各項目の金額を計算し、見積書合計金額を算出する

各項目の保険料率に見積書に記載の労務費の金額を乗じ各項目の金額を計算します。

(下記サンプルの対象金額の欄には見積書に記載の労務費の金額を記載することになります。)

 

なお、法定福利費も見積書合計を算出する際の消費税課税の対象に含まれますので注意してください。

(サンプルが古いので消費税率が5%になってます。)

 

最後に

先日、建設業のお客様に法定福利費を内訳明示した見積書の業界的な関心度合について質問する機会がありました。

仕事仲間での集まりでは、法定福利費を内訳明示した見積書の話題があがっており、社会保険の加入を進めている会社も出始めているというご意見を聞き、国土交通省が進めている社会保険加入対策の活動が徐々に浸透していっていると感じることができました。

 

見積書の作成については、初めは色々と手間がかかるかもしれませんが、ある程度フォーマットを作っておけば、見積書作成の負担は減少すると思います。

 

今回解説した見積書の作成手順が皆様のお役に立てば幸いです。

 

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