2016年11月27日

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先日建設業における社会保険未加入対策及び法定福利費を内訳明示した見積書の作成に関するセミナーに参加してきました。

 

300人くらいの会場はほぼ満員となっていたため、建設業界では注目度が高いトピックであると感じました。

 

建設業における社会保険未加入対策とは

国土交通省では、平成29年度までに企業単位では許可業者の加入率100%、労働者単位では製造業相当の加入状況を目指すという方針をたてています。

 

社会保険の加入についてはどの業種でも加入義務があるというのは変わりませんが、なぜ建設業において上記のような対策がとられているのかといいますと、社会保険未加入問題への対策を進めることで、以下の2点の実現をする必要があると考えているためです。

 

  • ①技能労働者の処遇の向上、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保
  • ②法定福利費を適正に負担する企業による公平で健全な競争環境の構築

 

①は社会保険を完備し、いざという時の公的保障を確保することで人材を確保しようということです。特に建設業では担い手の確保育成という問題が大きなテーマとなっており、若年労働者の確保育成が急務とされています。

②はちゃんと法律を守って法定福利費を負担している企業が、社会保険に加入しておらず法定福利費を負担していない企業に競争で負けるのはおかしいから是正しようということです。

 

法定福利費を内訳明示した見積書の作成について

上記で説明したように、国土交通省は社会保険未加入対策を進めていますが、社会保険に加入することにより企業は法定福利費を負担することになるため、あまり体力のない企業にとってはかなりの負担となってしまいます。

 

そこで、社会保険未加入対策の一環として、法定福利費を内訳明示した見積書の提出が平成25年9月からすべての専門工業団体において始まっています。

 

すなわち、社会保険加入により生じた法定福利費の負担については、ちゃんと見積書に内訳明示してコストを回収できるような仕組みをつくり、社会保険に安心して加入してもらいましょうということです。

 

どのように法定福利費を内訳明示するのか?

見積書の内訳明示の対象となる法定福利費は「健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料」のうち、事業主(会社)負担分のみです。

 

実務上は下請企業がたくさんいるケースが多いと思うので、下請企業ごとに詳細に法定福利費を算出するのではなく、人工や歩掛りを用いて算出した金額に保険料率を乗じる方法や工事費に平均的な労務費率を乗じて算出する方法がとられるそうです。

 

実際には見積書ごとに算出方法が異なってくると思うので、事前に元請企業と調整することが必要になってくると思います。

 

※2017/1/27 「法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順」について記載しました

 

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法定福利費を内訳明示した見積書テンプレート」(移行後のブログ)

【建設業】法定福利費を内訳明示した見積書の活用状況」(移行後のブログ)

 

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